ミステリー・セレクション 警視 深町征爾 狼は天使の匂い
元・公安の外事三課のキャリア組のエリート警視・深町征爾(舘ひろし)は、ある事件をきっかけに捜査一課の応援要員になった。そんな深町が、ケアサービス「ナカトミ」社長・中田富明(石山輝夫)の誘拐事件の捜査に呼ばれた。早速、ナカトミ本社に身代金1億円の要求があり、銀行が開いていない時間にも関わらず、長男であり副社長の隆明(正木蒼二)がすぐさま金を用意した。犯人からは、身代金運搬は秘書・坂本(伊東孝明)を指名してきた。警察の見守る中、坂本は身代金の入ったジュラルミンケースを車に乗せ出発した。その頃、深町は坂本の自宅へと向かっていた。その日、坂本の娘は幼稚園を無断で休んでいて、自宅マンションも留守で連絡が取れない状態。深町は、誘拐あるいは監禁の可能性を察する。管理人から合鍵を借り坂本の部屋に突入すると、そこには手足を縛られた坂本の妻と娘が床に転がっていた。すぐに管理官の富樫(誠直也)に電話を入れ坂本の様子を聞いた深町は、すでに身代金は奪われていると直感した。警察の見張る中、坂本はビルの屋上にジュラルミンケースを持って上がったが、携帯で連絡を受けたあと泣き崩れた。その手にしていたケースの中は、深町の読み通り古新聞の束に代わっていた。これは中東のテロリストがよく使う「二重誘拐」という手で、身代金の運搬役の家族を人質にとって仲間に引き込む用意周到な策略だった…。
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